よく投資をする際にはリスク管理が必要だって言われますよね?
でもリスク、リスクって言われてもピンと来ない。
そんなあなたに向けて、投資銘柄の騰落率を入れると、保有し続けたときの評価額がどれくらい変動する可能性があるか?をシミュレーションするプログラムを作りました。
eMAXIS Slimシリーズとは
まず今回計算対象とするeMAXIS Slimシリーズについて簡単にご紹介します。
eMAXIS Slimシリーズは
業界最低水準の運用コストを、将来にわたってめざし続けるファンドを
コンセプトに販売されている投資信託の人気シリーズです。
取り扱う証券会社も多く、
またNISAやiDeCoといった積み立て商品ではコストの視点が重要になることから
投資信託の販売ランキングでは、
このシリーズのうち複数ランクインしていることも珍しくないです。
- 株式(国内・米国・先進国・新興国・全世界)
- 債券(国内・先進国)
- リート(国内・先進国)
- バランス型(8資産均等型)
eMAXIS Slimシリーズの投資リスクシミュレーション
今回の投資リスクシミュレーションプログラムは、Pythonを用いて作成しました。
もし興味のある方はダウンロードしてみてください。
商品名 | 平均騰落率 | 最大騰落率 | 最小騰落率 |
米国株式(S&P500) | 8.5% | 32.5% | -14.1% |
全世界株式(オールカントリー) | 5.4% | 32.8% | -20.0% |
国内株式(TOPIX) | 3.7% | 32.2% | -22.0% |
新興国株式インデックス | 3.3% | 37.1% | -27.3% |
国内債券インデックス | 1.3% | 8.2% | -3.5% |
先進国債券インデックス | 0.6% | 11.3% | -11.6% |
国内リートインデックス | 4.6% | 33.7% | -24.5% |
先進国リートインデックス | 0.4% | 21.3% | -25.2% |
バランス(8資産均等型) | 2.7% | 16.3% | -10.2% |
米国株式(S&P500)の投資リスクシミュレーション結果

まずは米国株式(S&P500)です。
ここ5年間の成績が絶好調ということもあり、約4年で元本割れ確率はほぼゼロに。
伸びしろも抜群なので、今後同じような成績が続くなら、選択肢の第1候補ですね。
全世界株式(オールカントリー)の投資リスクシミュレーション結果

次に全世界株式です。
こちらは米国株式に比べると、元本割れ確率の下がりは遅いですが、
約10年で確率はほぼゼロになりました。
今後米国一辺倒ではなく、新興国の伸びも期待するなら、
全世界株式への投資もリスク管理の面でも問題はなさそうです。
国内株式(TOPIX)の投資リスクシミュレーション結果

次に国内株式。今回は東証上場株の全てをカバーするTOPIXで計算しました。
結果は20年経過しても、5%近く元本割れ確率が発生することに。
右肩上がりがなかなか続かない国内市場の実情をよく表している結果ではないでしょうか?
投資原則の分散効果が小さいので、
国内株式投資の場合は他の資産区分とのバランスを取ることが必要になりそうです。
新興国株式インデックスの投資リスクシミュレーション結果

続いて新興国株式。
こちらは20年経過後でも10%は元本割れ確率が残る結果に。
ここ5年間の伸びも国内株式と大きく変わらない結果からしても、
今はこの商品単独での投資をする局面にはなさそうです。
国内債券インデックスの投資リスクシミュレーション結果

続いて債券クラス。まずは国内債券です。
債券だけあって、評価額のブレが少ないです。
ただ元本割れ確率は10年程度経過しないと、ほぼゼロにならない結果に。
これは全世界株式とあまり遜色がないです。これはちょっと意外ですね。
先進国債券インデックスの投資リスクシミュレーション結果

次に先進国債券です。
こちらはなんと20年経過後でも20%も元本割れのある結果に。
リスクもあり、また評価額の伸びも無いので、
現段階では長期投資対象として積極的に購入する商品ではなさそうです。
価格下落時にスポット買いする商品になりそうです。
国内リートインデックスの投資リスクシミュレーション結果

続いてリートインデックス関連です。まずは国内リートです。
こちらは、20年経過でようやく元本割れ確率はほぼゼロになる結果に。
国内株式より若干良い結果です。評価額の伸びも国内株式と同レベルなので、
資産分散という観点では、国内株式より国内リートインデックスという選択肢はありかもしれません。
先進国リートインデックスの投資リスクシミュレーション結果

次に先進国リートインデックスです。
こちらはなんと約50%の確率で元本割れになる結果になりました。
こうなると長期の投資対象としては真っ先に外れてしまいますね。
購入するとしても短期売買や価格下落時のスポット買い程度になりそうです。
バランス(8資産均等型)の投資リスクシミュレーション結果

最後はバランス型です。
バランス型なので、元本割れは小さいだろうと思っていたら、
結果は、10年程度経過しないと、元本割れ確率はほぼゼロにならない結果に。
8資産の均等配分なので、米国を始めとする先進国株式の成績が良くても
新興国株式や先進国リート、先進国債券の成績に引っ張られて、このような結果になりました。
バランスを考えないで良い分、楽なのですが、
この結果を見ると、
複数の商品を組み合わせて、
自分オリジナルのバランス型投信を作っても良いかもしれません。
まとめ:投資リスクが少ない商品は
このページでは、
投資信託の人気シリーズであるeMAXIS Slimシリーズの各商品を
100万円分を20年間保有した場合の評価額の推移とともに
元本割れ確率の推移をご紹介しました。
- 米国株式(S&P500)
- バランス型(8資産均等型)
- 国内債券インデックス
- 全世界株式(オールカントリー)
- 国内リートインデックス
- 国内株式(TOPIX)
- 新興国株式
- 先進国債券
- 先進国リート
今回の結果は、過去の成績を使ったシミュレーションなので、
今後の各商品の成績を保障するものではありません。
- 投資期間が長くなるほど元本割れリスクを軽減できる
- どの商品がリスクが小さいか?
- リスクが高くても、そのリスクを許容できるか?の判断材料にできる
このシミュレーション結果が、あなたの投資対象選択の参考になれば嬉しいです。
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